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女性トレイルランナーの生理に関するアンケート結果

2019年5月20日、女性トレイルランナーの生理に関するアンケートを実施しました。instagramのストーリーでのアンケート集めだったため、24時間だけのアンケート募集でしたが、約130人の女性トレイルランナーからご回答をいただきました。

アンケート内容はとてもシンプルなものですが、その中からも見えてくることがあります。

 

質問1:生理中でもレースに出ますか?

回答:はい 92% いいえ 8%

 

レースの距離にもよりますが、生理中でも気にせずにレースに出場している女性がかなり多いことがわかりました。やはり女性トレイルランナーはアクティブな人が多いようです。

しかし、生理は始まった頃と終わり頃では、だいぶ経血量が違うと思いますので、経血量が多いとされる2日目、3日目あたりにトレイルレースに出るのは、アクティブな女性としてもなかなか大変なのではないでしょうか。トレイルレースでは山に入るので、頻繁にトイレに行けません。こういったことを考えると、レース主催者の皆さんには、コースマップ上にトイレの場所をしっかりと記していただきたいと思います。女性選手はトイレの場所をレース前にしっかりと確認しておきたい気持ちがあるはずです。

 

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質問2:レースの日に生理が当たらないようにピルを使用したことがありますか?

回答:はい 26% いいえ 74%

 

この結果は予想外でした。生理がレースの日に当たらないようにピルを使って生理周期をコントロールしたことがある女性は、全体の約4分の1もいました。
日本では、生理周期をコントロールするために積極的にピルを使用する女性はまだまだ少ないそうです。やはり、山で長時間を過ごす、さらに激しい運動であるトレイルランをする女性は、できればレースの日に生理にならないようにしたいという考えがあるのでしょう。

しかし、ピル使用経験者の中には、「副作用がキツい」という声も聞かれましたので、この点に関しては婦人科の先生に相談しながら自分に合ったピルを見つける、または、「どうしても」という時だけに使用するなど、自分の体に向き合いながら使用していっていただきたいと思います。ピルにもいろいろな種類があるそうですし、副作用には個人差があるそうです。必ず専門家にご相談の上、ご使用ください。

 

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今回、アンケートを実施して感じたことは、スポーツを楽しむ女性たちにとって、生理や女性の体に関する情報が不足しているということ。また、女性たちも気になっていたり、誰かに相談してみたりしたいけれど、そういった意見を交換する場がないこと。アンケートを実施したことで、私のところにも何人もの女性から「こういう情報が欲しかった!」という声が届きました。

 今、一般的な生理の情報は多いと思いますが、「スポーツと生理」・「スポーツと女性の体」となると、急に情報が少なくなり、スポーツ楽しむ女性たちが声を上げる場所もあまり無いように感じます。女性にとっては当たり前の体の話。もっと積極的に女性がこういったことを話せる場所が必要だなと思います。

 また、そう言った女性の声を男性にも知っていただき、生理周期による女性の体と心の変化をちゃんと理解していただけるようになるといいなとも思います。

この内容については、先日、トレイルランナーの丹羽 薫さんと日本体育大学の須永美歌子教授にお会いして、詳しくお話を伺ってきました。記事は7月11日発売のマウンテンスポーツマガジン『TRAILRUN 2019 夏号』に掲載いたします。